こんにちは!
IoT時代到来の真っ只中ということで、弊社でも数多くのセンシングデバイスを取り扱っております。
去年あたりから日本でもRaspi4Bが取り扱えるようになったので、割と重い処理(画像解析やCNNライブラリ使用など)をしても、
十分に耐えられる性能になってきました。
このシリーズではラズパイを使って、普段はやらないけど知っておきたい事を実験していきたいと思います。
弊社では、ラズパイの案件を扱う場合に必ずと言っていいほどSunDisk Extreme 64GBが出てきます。
https://www.amazon.co.jp/dp/B082WPGKT6
選定するポイントとしては、コストパフォーマンスと性能と安定性(価格面/性能面)です。
今回の実験に使用するmicroSDはこちら。
A1/A2の登場によってアプリ起動が格段に早くなりました。
変わり種としてUHS-IIのmicroSDカードについてラズパイの公式ページでは仕様に明記されていないので、
有用なのかどうか比べてみます。
対象microSD:
製品名 | 規格 | 容量 | 価格 |
---|---|---|---|
Silicon Power microSDHC | class10 | 16GB | ¥769 |
SunDisk Ultra microSDHC | class10 UHS-1 A1 | 16GB | ¥822 |
SunDisk Ultra microSDHC | class10 UHS-1(スピードクラス1) A1 | 32GB | ¥980 |
SunDisk Extreme microSDXC | UHS-1(スピードクラス3) A2 V30 | 64GB | ¥1,816 |
Kingston CANVAS React Plus microSDXCII | UHS-II(スピードクラス3) A1 V90 | 64GB | ¥7,350 |
まずはmicroSDの性能によって起動時間が短縮されるのかを検証していきます。
ラズパイに導入したソフト(daemon)によっても変化してくるので、
今回は下記の条件で測定していきます。
条件
使用する筐体は「Raspberry Pi 4B」。 |
公式からダウンロード可能なRaspberry Pi Imagerを使い、microSDにコピーする。 |
最初の初期設定画面は全てデフォルト。(アップデートなし) |
最初の起動完了後、電源を切り、再起動してから測定する。 |
測定を5回程度行い、平均値を採用する。 |
測定コマンドは下記を使う。 “systemd-analyze time” |
結果
製品名 | カーネル起動時間(s) | GUI/HW/デーモン起動時間(s) | 合計(s) |
---|---|---|---|
Silicon Power microSDHC(16GB) | 2.137 | 13.330 | 15.504 |
SunDisk Ultra microSDHC(16GB) | 2.102 | 12.441 | 14.544 |
SunDisk Ultra microSDHC(32GB) | 2.100 | 12.313 | 14.414 |
SunDisk Extreme microSDXC(64GB) | 2.052 | 12.911 | 14.963 |
Kingston CANVAS React Plus microSDXCII(64GB) | 2.209 | 12.232 | 14.542 |
各SDカードの評価ポイントとしてA1/A2の表記の有無によって大凡1秒程度の違いがありました。
UHSI と UHSIIの比較については起動時間での差は見られませんでした。
次に各SDカードの読み書きとランダムアクセスについての性能差を測っていきます。
条件
起動時間同様に筐体と初期設定は同じく下記の条件を加えます。
測定コマンドは下記を使用する。 “agnostics” |
結果
製品名 | シーケンシャル書き(KB/sec) | ランダム書き(IOPS) | ランダム読み(IOPS) |
---|---|---|---|
Silicon Power microSDHC(16GB) | 9907 | 154 | 915 |
SunDisk Ultra microSDHC(16GB) | 19224 | 864 | 2291 |
SunDisk Ultra microSDHC(32GB) | 18475 | 859 | 2322 |
SunDisk Extreme microSDXC(64GB) | 36632 | 1146 | 2653 |
Kingston CANVAS React Plus microSDXCII(64GB) | 39196 | 842 | 2645 |
この比較ではシーケンシャルの書き込みではKingston CANVASが上回るものの、
他の数値ではSunDisk Extremeに軍配があります。
いかがでしょうか。
選定の際の金額面を見てもやはりSunDisk Extreme microSDXC(64GB)が優秀であると言えます。
また、データを溜め込みたい用途でも十分に書き込み速度が確保されているため、
動画のリアルタイム保存などの用途でも十分な性能ではないでしょうか。
ではまた!
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