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評価用PCのマルチブート環境構築~前編~

公開日:2022.11.25 更新日:2022.11.25

tag: Windows

こんにちは、MYです。
今回は、私がWindowsソフトの評価に使用しているマルチブート環境の構築について前編/後編に分けてご紹介したいと思います。
前編の今回は複数のOSをインストールするために必要なパーティションの分け方について紹介します。

マルチブートとは?

マルチブートとは1台のPCの中に複数のオペレーティングシステム(OS)をインストールし、どれかを選んでブートする事が出来るという状態のことです。

Windowsソフトの開発の場合、複数の言語(日本語/英語/中国語/韓国語/…)やOS(WindowsXP/7/8.1/10/11…)での評価が必要となります。

あるソフトではアジア向けのソフトだったため、英語、中国語、韓国語のOSで評価する必要がありました。
設定ファイルの文字コードの違いにより正しく読み込めない等、言語の違いによる不具合が発生したこともあった為、それぞれの言語のOSで評価を行っています。

また、別のソフトでは工場で使用されるソフトだったため、古い機械に対応したソフトが新しいOSに対応していないという理由で未だにオフラインでWindowsXPやWindows7が使用されていることがあり、それらのOSでも評価が必要となります。

全ての業務で全てのOSを使用するわけではありませんが、様々な業務をしていると複数のOSが必要になってきます。
それぞれのOSに対して1台のPCを用意していると台数が多くなり、保管場所や作業場所が困るため、私はマルチブートを使用しています。

パーティションの分け方

まず、複数のOSをインストールするためにパーティションを分けます。
私はOSのインストーラを使用してパーティションを分けています。

光学ドライブへWindows OSのインストールCD/DVDを挿入(またはインストール用USBメモリを接続)しコンピューターの電源を入れます。
画面に「Press any key boot from CD or DVD…」の表示が出ましたら[Enter]キーを押します。

Windowsのインストーラが起動されるのでインストーラの表示にしたがって進めていきます。
すると、この画面が表示されるので「カスタム:Windowsのみをインストールする(詳細設定)」をクリックします。

この画面でパーティションを分けます。

パーティションを分けたい領域を選択します。
既に、OSがインストールされている領域に上書きする場合には、領域の選択後、「削除」をクリックします。これによりパーティションが解放されます。

削除が完了すると領域の表示が「ドライブxx(数字)の割り当てられていない領域」に変わります。

「ドライブxx(数字)の割り当てられていない領域」を選択して、「新規」をクリックします。

パーティションの容量を入力するボックスが表示されるので、割り当てたい任意の容量を[MB:メガバイト単位]で入力し、「適用」ボタンをクリックします。
私は、特にこだわりの無い場合は評価結果に容量の違いが影響しないように、各OSを同じサイズに分けています。
しかし、Debugの為にVisualStudio等のツールをインストールしたい場合は、そのOSだけ多めに確保しています。
OSごとに最低容量が決まっているので注意してください。

システム用のパーティションが作られるメッセージが表示されたときは、「OK」をクリックします。
容量を割り当てたパーティションは「ドライブxx(数字)パーティションy(数字)」の表記となり、領域が割り当てられずに残っているパーティションは「ドライブxx(数字)の割り当てられていない領域」と表示されます。
これでパーティションを分けることができました。

2つ目以降のパーティションを作成する場合には、同様に「ドライブxx(数字)の割り当てられていない領域」を選択して容量を割り当ててください。

1つ目のパーティションを作成した場合、作成したパーティションとは別に、数百MBの小さな容量のパーティションが作られます。
これは、Windowsによって自動で作成される特殊なパーティションなので、削除しないようにしてください。

1つのHDDにインストール可能なOSの数について

HDDにはMBRディスクとGPTディスクという2種類があります。
この種類によって作成できるパーティションの数が異なります。

MBRディスクに作成可能なパーティションは最大4つです。
メインのディスクではブート領域としてパーティションが1つ使用されるため、MBRディスクの場合、3つのOSしかインストールできません。
[パーティションの数] = [OSの数]と考えていると1OSインストールできずに余ってしまうので注意が必要です。
2つ目以降のディスクには4つのOSをインストールすることができます。

一方、GPTディスクは、OSの制限がなければ作成可能なパーティションも無制限です。
GPTディスクなら無制限にパーティションが作成できて便利そうですが、GPTディスクは32ビットのWindows XP、Windows Server 2003をサポートしていません。
元々WindowsXPの評価も行っていたため、私はMBRディスクを使用しています。

現在使用しているHDDのパーティションの種類を確認するには、[ディスクの管理]画面の開き、下図の赤枠部分を右クリックし、[プロパティ]を開きます。

[ボリューム]タブの[パーティションのスタイル] の項目で、確認出来ます。

まとめ

今回は、複数のOSをインストールするために必要なパーティションの分け方について紹介しました。
次回は、実際にOSを複数インストールする方法について紹介したいと思います。

YM

Windowsアプリや組み込みを担当しています。

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